初めてのギフチョウ(採集編)

雨です。
今日は免許の更新に行くために振り替え休みをとっており、10時くらいには終わるのでその後撮影に行こうと思っていたのですが・・・。これではどうしようもありません。

で、部屋の片づけをしていたのですが、飽きてしまいました。
と言うことで更新でもしましょう。が、ネタもないので想い出話しを・・・。

1976年の9月、敬愛するT先輩の薫陶を受け、「栄光の蝶屋」を目指す決意をした私は、約半年間「山渓」の「日本の蝶」、「続・日本の蝶」あるいはクラブの会誌に載った先輩方の紀行文などを読みふけり、未だ見ぬ蝶達との劇的な出会いに日夜妄想を膨らませていました。

そしてあくる1977年の春はついにやってきました。迎える4月、ついに憧れのギフチョウが現れる季節になりました。

4月10日。私はT先輩から「ここに行ってみ。まずおらん事はないやろし、多分誰も来いひんし。」というマル秘ポイントを教えて頂き、翌日着る服を枕元に畳んで休みました。もちろん、お酒なんか一滴も呑みません。

そして翌4月11日。まだ薄暗いうちに起き出した私は、期待と不安に胸膨らませて山科下宿を出立しました。京阪電車で三条京阪まで出て、出町柳まで歩いて、そこから京福電車に乗ってとある駅で降りました。そこからはポイントまでは徒歩です。

「9時前くらいに行ったらええで。」と言われていたのですが、すっかり気がはやっていた私は8時前には着いてしまいました。まずは場所の確認をして、駅の売店で買ったパンを食べ、後は出てくるのを待つばかりです。天気も良く気温もあがってきました。8時半・・・9時・・・・さぁ、もう何時出てきてもおかしくありません。見通しの良いところに立って前後左右にくまなく視線をめぐらして・・・。竿を持つ手にも力が入ります。

ところが・・・9時を過ぎ、10分・・・20分・・・・30分・・・・全く出てきません。「あれ?場所間違えた・・・?いや、そんな事ないはず・・・。」そして、ついに10時を回った頃・・・・。ギフチョウどころか、ネットを持った小太りで目がぎょろっとした一人の青年がポイントに入ってきました・・・。

彼「どうですか?」
私「いや、全然見ません。」
彼「そうですか・・・。よくこの場所をご存じですね。○大の方ですか?」
私「いえ、×××です。」
彼「あ、それならTさんに聞かれて来られたのですか?」
私「え?Tさんをご存じなのですか?」
彼「ええ、まぁ・・・。」
・・・・・・・・しばし沈黙・・・・お互い顔を見ず目はギフを探す・・・・・・この間数分・・・・・・・
彼「私、別な場所行きますし、ほな、頑張ってください。」
私「はい、それでは・・・。」

その後もギフチョウは全く出ません。しかし、ポイント探索能力がなく、この場所しか知らない私はどんな場所へ移動したらいいかもわかりません。ひたすら待ち続けました。そして11時過ぎ・・・・。「ああ、もう11時だ・・・。もう駄目かもしれないな・・・。」と諦めかけているところに、今度はT先輩が来てくれました。
T「おお、どうえ~?」
私「いえ、全然いません。」
T「嘘っ!ほんまかいな?信じられへんなぁ・・・。そうかぁ・・・。」
私「そう言えば蝶屋さんが一人来られてTさんをご存じのようでしたよ。名前は聞いてないのですが・・・。」
T「え?ほんまか。ここ知ってるって、誰やろな・・・?」
 「ま、それより、ここあかんならちょっと場所変えよか。」
私「はい。」

そして、その時はいきなりやって来ました。林道に出てしばし歩いていると・・・・・いきなり目の前を何やら黒っぽい物体が横切ろうとしました。で、訳もわからず反射的にネットを振ると入ったので「何やろ?」と思って見てみると・・・・。何と!黄色と黒のダンダラ模様がぁ・・・!
正直に言うと、「はあ・・・?」でした。もちろん嬉しかったのは間違いないのですが、とても頭に思い描いていた、感動的な出会い方ではなく・・・・。「嘘やぁ、もっと感動したかったよぉ~・・・!」

これが私の初ギフチョウの想い出です。結局この日はこの一頭のみでした。そして、この日は派手な感動はなかったのですが、時間が経っていくうちに、じわじわと喜びが湧いてきたこともよく覚えています。触角も曲がってるし、展翅もひどんもんですが、そこはご愛嬌で・・・
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追伸)
すでにおわかりの方もおられると思いますが、「小太りの青年」はこの時はまだクラブに入部する前のF君です(笑)。その後部室で会って「あ、あの時の・・・」でございました(笑)。ちなみに彼はこの時はT先輩とは面識もなかったそうです(笑)。
by nomu376 | 2009-02-03 14:58 | | Comments(4)
Commented by saunterA at 2009-02-03 20:47 x
着る服を枕元に畳み、お酒も呑まず...。
ギフチョウに対する真摯な態度がすごく伝わってきました。
>「嘘やぁ、もっと感動したかったよぉ~・・・!」
のあとにじわじわと喜びが湧いてきたことにも、ほっとして笑ってしまいました~。
ひたむきに何かを追った思い出っていいですね。何年たっても!
Commented by nomusan at 2009-02-03 21:51 x
saunterAさん、まあ、お酒も呑まずってところは・・・まだこの時は未成年でしたしね・・(笑)。
帰って早速展翅いたしまして、その後はゴキブリに喰われないように机の引き出しの中に入れておりました。で、何回も引き出しをそ~っとあけて、ギフを見てはにんまりとしておりましたね(笑)。
もう・・・32年近く前になりますか・・・けど、かなりの蝶の”お初”の場面はいまだに覚えておりますよ(笑)。
Commented by maeda at 2009-02-04 06:41 x
標本には思い出が詰まったものが有って、これがどうにも分かれられない理由なのですね。でもだんだん荷物になってきて…
Commented by nomusan at 2009-02-04 07:03 x
maedaさん、そう、一つひとつの標本には、忘れられない想い出がありますよね~・・・。それでも、最近は貰ってくれる方がおられればお譲りしてもいいな・・・と言う気持ちにもなってきています。けど、私の箱の中にはそんな標本はなさそうです・・・(笑)。
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