春一番

荒れ模様です。
って、私の生活ではありません。
今日の天候です。

ここ数日めまぐるしく天候が変わります。
今日は気温は17℃との表示でしたが朝から曇り。
午後からは雨、そして何よりも風が強い・・・。
”春一番”が観測されたようです。

ネタがありません。
で、再掲で「個人的な思い入れが強い」オオイヌノフグリVeronica persica について・・・。
クラブ会誌の発刊によせて当時の顧問の先生が寄稿された文章です。

c0065260_214574.jpg
ベロニカの花
           ―会誌発刊によせて―

 その昔、キリストが重い十字架を負って処刑の地へゆくとき、路傍におった聖者ベロニカはその余りにも痛ましい姿に打たれ、思わず手にあったハンケチ-フで主の顔に流れる汗を拭った。そして、そのハンケチーフには、不思議や主の顔がまざまざと印されていたという。後に、主の面影を印した布片をベロニカと呼んだのは、この故事にもとずく。そしてまた、私たちの周囲にあって私たちがともすれば忘れ勝ちな草の中にも、この名を持つ一群があるのである。
 それは、ゴマノハグサ科に属する越年生の野草-同属にはヒメトラノオ、カワジシヤ、クワガタソウなどが含まれるが、普通にいうベロニカとは種名polita(牧野博士によればこれは誤りで、Caninotesticulotaが正しいという)で呼ばれる、あの路傍の草を指す。大小不揃いの四つの花びら。中には小さなメシベが左右をオシベにかこまれて並ぶ。花びらは濃紺の縞で飾られて、私たちの小指の爪にも及ばない程に小さく愛らしい。その形が、ベロニカと呼ばれる聖地土産の布片にある主の面影にいささか似る故に、かくは名ずけられたのであろう。
 元来は渡来したものだが、今は全国の至るところに見られる。そしてこれは―このあたりで私の知る限り―最も早く春を告げるのだ。広場の隅の陽だまりに、年の暮れから緑が萌え出し、二月に入るともうあの可憐な花をこっそり着ける。オーバーの襟を立て鞄持つ手もかじかむ学校の往きかえり、道の端にこの花を見つけると、足音を忍ばせて近ずいてきた春をしみじみと思う。
 しかし、後から後からと現れる目もさめるように美しい春の百花が研を競うと、静かにその影に立つベロニカの花には気ずく人すらすくない。そして夏も近ずく頃、壮な陽を浴びて丈なす雑草に気おされながら、じっとその花を保っているのを見つけるのは本当にいじましい。やがて優しい秋草が冬の訪れを告げる頃、ベロニカはもう母なる土の中に形をひそめてはいるが、決してその生命の息吹きを忘れない。
 学問に対する私たちの態度は、このベロニカの如くあるべきではなかろうか。たとえばこの会誌は会員の皆さんたちがこの夏以来の研究成果を、講義や実習の余暇を求めて、粒々と積み上げたものだ。―それはあのベロニカの絶えざる生の営みの如く、そしてその苦心のささやかな結晶が、必ずしも華々しい直接の反響を得ないこともあろう。しかし私たちは、あのベロニカが長い春を送る気持を忘れてはならない。私たちの仕事には、それ自体の意味があるのだ。たとえ日陰になることがあっても、学問をたゆみなく続けよう。あの夏の日のベロニカのように―。やがてはそのつつましい仕事の意味が、認められるような時も必ずやってくるのだ。以上、会誌の発刊を祝して、所感をベロニカに託する。

で・・・・”春一番”とくればやっぱりこの歌ですよね~。
by nomu376 | 2009-02-13 21:49 | 書籍 | Comments(14)
Commented by ダンダラ at 2009-02-13 23:00 x
何とも格調高い文章ですよね。
こんな文章が書ける人ってすごいな。
Commented by Rhetenor at 2009-02-13 23:37 x
素晴らしい寄稿文ですね。

会誌の発刊の苦労をねぎらい、その価値を評価しつつ、
励ましの言葉を花に託す・・・。

この様な顧問の先生がおられたら、
クラブ全体が活気に満ち溢れるでしょうね。

・・・ん~ん、感動しました!!



Commented by nomusan at 2009-02-13 23:50 x
ダンダラさん、ありがとうございます。この寄稿文、実は私も大のお気に入りでして・・・。この寄稿文が載った最初の会誌が発刊されたのは、1960年です。私が2歳の頃で・・・(笑)。連綿と続いた歴史を感じながら・・・呑まずにはおれません(爆)。
Commented by nomusan at 2009-02-13 23:55 x
Rhetenorさん、ありがとうございます。↑にも書きましたが、この寄稿文は1960年の文章です。で、私が入部した1976年当時は・・・顧問の先生って・・・いなかったような・・・(笑)。
で、私は”オオイヌノフグリ”とは言わず、”ベロニカの花”と呼んでしまうのですよ~。
Commented by mmerian at 2009-02-13 23:57
ベロニカの話、心に響きますね。
この話は聖書に出てくるのでしょうか?
オオイヌノフグリは好きな花なので、昨日も写真に撮りましたが、呑むサンの話を聞いてますます好きになりました。
ベロニカのこと、心に刻んでおきます(^^)
Commented by pieris at 2009-02-14 00:14 x
春一番、昔壱岐の漁船が何艘も遭難した強い南風。
壱岐の郷ノ浦港のそばの小高いところに春一番の碑が建っています。後ろを振り返ると反対側に弁天崎。海クロツとシルビアがいます。
この後寒の戻りがあるようですね。

切手の絵、炎に飛び込む蛾たちの姿が壮絶です。
Commented by nomusan at 2009-02-14 00:16 x
mmerianさん、ありがとうございます。で・・・
>この話は聖書に出てくるのでしょうか?
・・・・・さぁ・・・(爆)。我が母校はキリスト教系の学校ではありますが・・・。
>ベロニカのこと、心に刻んでおきます(^^)
ありがとうございます~。って、押しつけちゃったかな~(笑)。
Commented by nomusan at 2009-02-14 00:24 x
pierisさん、もう10年くらい前になりますが・・・。ちょうどこの頃、壱岐で現場の仕事がありまして、長いときは5泊6日くらいで行ってました。
なので、地元の人たちからも”春一番”の話しは何回かお聞きしましたよ~。郷ノ浦港の”春一番の碑”も行きましたよ・・・。実は今日は、まさに「そう言えば今頃壱岐に行っていたなぁ~・・・。」って思い出していたのでした・・・。けど、クロツは見ましたけど・・シルビアは・・・知らぢゃったぁ!

これは蛾の絵ですが・・・何か魅入られますよね~(笑)。
Commented by itsuki at 2009-02-14 08:59 x
昨夜も遅くまで”ああ~・こりゃこりゃ”で12時半まで「残業」してました

 ベロニカのお話・・・・今までは何気なく「可愛い」と思っていたが
 見方が変わってきましたね
 ・・・・・それにしても「オオイヌノ・・・・」 何ともこっけいな和名ですね
Commented by maeda at 2009-02-14 11:45 x
荒れかたが半端じゃなかったです。
50cmほど積もりました。いい加減うんざりです。
Commented by imai at 2009-02-14 15:47 x
ベロニカの小さな花にも色んな逸話が有り感動ものでした!。この切手も何か妖艶で凄みを感じます。ところで昨日近くのクリークの土手で「モンシロチョウ」を初見しました。もう直ぐ春ですね(笑)。一応報告まで!
Commented by nomusan at 2009-02-14 17:30 x
itsukiさん、おお、昨夜も遅くまで残業ですかぁ。何と仕事熱心なことでしょうかぁ(爆)。
はい、私これ読んだの実は卒業した後でして、それまではこの花、なんちゅう名前の花やって感じでいたのですがsっかり印象が変わりましたよ~(笑)。
Commented by nomusan at 2009-02-14 17:31 x
maedaさん、大荒れだったようですね(笑)。
50cmですか・・・。この冬はついに町中では積もらずに季節が変わりそうですよ~。
Commented by nomusan at 2009-02-14 17:34 x
imaiさん、ありがとうございます。私もこれ読んですっかり印象が変わりましたよ~。
>昨日近くのクリークの土手で「モンシロチョウ」を初見しました。
はい、昨夜某ブログのコメント欄を拝読いたしました(笑)。でましたね~。
<< 今日の筑後川 今日の筑後川 >>